漁場の選定、設置位置は、各漁場の海底形状、海底地質、潮流、魚道などが 関係しており、定置網で最も重要な要素です。
定置網は岸近くに来遊してくる魚群を待って獲る 漁法なので、どんなに優れた構造の網でも敷設した場所に魚が回遊してこなければその成果を 上げることが出来ません。
粕谷製網ではまず漁場調査を行い、潮流や水深などの必要なデータを収集して コンピュータ解析によって各漁場の特徴を把握し、漁場を診断します。
その後、各漁場に最適な サイズ・型式を検討し、お客様の要望を採り入れながら設計を行います。工場にて製作した後、 技術者を派遣し施設を漁場に設置します。
新規のお客様に対しては、御要望に応じて技術員を派遣し、操業・網替え・ メンテナンスなどの技術指導サービスも行っております。作業船やその他の定置網関連資材も 取り扱っています。
粕谷製網によって独自に開発された定置網で、1家族でも操業ができる ことから「家族定置網」と名付けられました。漁業者の間では「つぼ網」、「ねずみ網」などと 呼ばれています。
対応水深は基本的に6m以上です。慣れてくれば1人でも操業が可能です。 操業方法はロープを引いて魚がたまっている円錐型の輪網を持ち上げ、漁獲物を取り出すシンプル なものです。始めて定置網をされる方にオススメです。
このタイプは設置・操業の容易さから、爆発的に全国に普及し、現在に 至っています。
粕谷製網によって独自に開発された定置網で、家族型定置網に落網を 取り付けた形のものです。家族定置網を利用しているお客様の場合は、従来の資産をいかした まま漁獲率の向上が期待できます。
落網の利用により、輪網に入りづらい魚種をも漁獲することが出来ます。 また、自社開発による環巻き方式(ロープ揚網方式)を採用しているので落網の網持ちも容易です。 基本対応水深12m~25m。
中・大型定置網によく見られるタイプで、中・大型のスタンダードとも言えます。 大型のものでは、居残り率を上げるために図のように落網を二段にした二段箱式定置網もあります。 通常の落網式定置網の発展型といえるでしょう。
粕谷製網では2~4人での操業が可能なことから、このタイプを 「親族定置網」と呼んでいます。自社開発による環巻き方式(ロープ揚網方式)により、 省人化・省力化を実現します。
環巻き方式ではロープを引いて行くだけで自動的に網が 魚捕部まで揚げられていくので手持ちによる網持ち作業は魚捕部だけです。
施設全体を海底に沈めて敷設するため、潮流から受ける抵抗が少なく、比較的潮流 の速い漁場に向いています。
落網に入りにくい底層魚も漁獲できます。